薔薇の香りに包まれながら 熱い思いが詰まったケーキを食べて 至福の時を過ごしましょう   That’s great!

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有難い気持ちはハート型

病院での治療が終わり

父が退院してから10日が過ぎました

段々と弱っていく父のそばで

母は一生懸命世話をしています

8袋の薬袋から

朝、昼、夕そして寝る前の薬を

時間かけて仕分けしている母の姿を見ました



「ごめんね!ごめんね!

もっと早く気がついてあげたらよかったのに!」



その袋を抱えて近くの薬局へ飛び込みました

「薬を朝、昼、夕、寝る前と一袋にまとめて頂けませんか?」

事情を話すと薬剤師の方は

「わかりました!大丈夫!出来ますよ!すぐ出来ますから!!

お母様大変ですよね!これだけの薬を分けて飲まして上げられるのは!

大丈夫ですよ!!すぐ出来ます!」

温かな白衣の方々

三人で手際よくしてくださった薬の袋を

私の手に渡してくださいました

胸がキュンキュンして

ただただ

「ありがとうございます!本当に本当にありがとうございます」

この言葉をを繰り返していました



それから

スーパーで薬をわかりやすく入れる小物入れをさがしたけれど見つからず

クリスマスのディスプレィで忙しく走り回っている店員さんに尋ねました

「そうですねぇ・・・お待ちくださいね」

しばらくするとキッチンコーナーから数点抱えて持ってきてくださいました

それらを手にとって見ていたら

また違ったアイデァ商品を持ってきて

「こんな感じの品物もございますよ」と。



「お忙しいのに本当にありがとうございます!

助かりました!本当にありがとうございました」

そうお礼を言ったときの店員さんの笑顔

広い店内を走り回り額に汗が滲んでキラッと輝いていました

本当に有難かったのです



母は喜こびました

「む~んちゃん!ありがとう!ありがとう!

もう、薬を分けなくても1袋だけを飲ませてあげたらいいのね

あぁぁぁ有難いわ!本当にありがとう」



その夜

母から電話がありました

「む~んちゃん!!!!む~んちゃん!!!!

お父さん、お通じがあった!便がでたよぉ

有難くて・・・・有難くて・・・・本当に有難くて・・・」

退院して10日ぶりのお通じでした



有難い!

この言葉は全身の筋肉の細胞に行き渡ります

そして

それは

母や私を通して

父の体細胞に取り込まれていると

私は確信します



そんな気持ちで焼いたのはハート型

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誕生日に~感謝を伝えるために

私の父は

住宅地の真ん中で

いろんな野菜を作って

喜んで食べてくれる人達に

オマケをイッパイつけて

売るというより

ほとんど差し上げていた・・・一年前までは・・・



負けず嫌いで

強情で

わがままで

そんな父に

母は泣かされていたけれど

「おとうさん!おとうさん!」と

寄り添って来れたのは

父には

不器用さが邪魔をし

言葉では伝えることは出来ないけれど

何ともいえない優しさがあるからだろう





私の父は

在宅酸素療養者で

限界が近づいている心臓と肺は

必死で護られている



私の誕生日の前日

病室で父は眉間にシワを寄せ

息苦しさと戦っていた

いつもなら数日の入院生活で

点滴が外れ元気になっていたのに

今回は一ヶ月過ぎても体調は良くなるどころか

だんだんと弱っていく

「もう・・・・楽になりたい

死んでしまいたい・・・・

生きているのが辛い」


病室で聞く父の悲しみの塊



「生きていてほしいよ

お母さんが独りぼっちになるよ

ねぇ・・・おとうさん・・・私・・・明日誕生日!」


父は目を閉じたまま無表情だった



「おとうさん・・・・また明日・・・来るからね」

そう言って病室をでた途端

涙が溢れ出した

車を運転しながら声をあげて泣いた



翌日の昼食時間

父はご飯も食べず

眠ったままだった

「ご飯を食べましょうか?」

そう呼びかけても

父は首を横に振るだけで何も言わなかった

「おとうさん・・・また夜来るからね!」

そう言って私は下を向いて病室を出た



その日の夕方

正直重い足取りだった

でも今日、感謝の言葉を父に伝えなければ

ずっと後悔すると思いながらも

やはり・・・気持ちは晴れなかった

母には簡単に伝えられたのに

どうして父には伝えられないのだろうかと・・・・



父は珍しく目を開けていた

「おとうさん・・・・

今日は私の誕生日!」


「昨日聞いた!!!!」


「あのね・・・・誕生日は両親に感謝をする日なんだって

だからね・・・・・私ね・・・・

感謝の言葉を伝える

・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・


ありがとう・・・・  」


父はキョトンとしていた

私は照れ隠しに一気にしゃべり続けた

「ねぇ・・・・おとうさん

今日は寒いけれど私が生まれたときも寒かった?」


「暑かった!あの日は・・・朝?いや夕方やったなぁ

おまえが生まれそうになるからとおとうさんは

自転車で産婆さんを呼びに行って・・・・」


「それであつかったん?(笑)

ねぇ・・・・嬉しかった?私が生まれて嬉しかった?」


「さぁ・・・・忘れた!」

「えっ?わすれたぁ????」


「猫みたいかな?」

父が笑った・・・父が笑った

(父は猫がとってもとってもすきなのです)



「おとうさん・・・感謝の言葉伝える日だからね

伝えたよ!」


そう言って帰ろうと椅子から立ち上がったとき

私の顔を見ないで

父は・・・

「サンキュッ!サンキュッ!」

と言ってくれた

言葉で伝えるのが苦手な父がそう言ってくれた



あれから

父は

歩けなくなりました

声を出すことも辛いようです

ご飯もほとんど食べなくなりました

でも私が焼いた米粉のシフォンは少し食べました

私は娘として

ありったけの気持ちで出来うることを

一生懸命してやりたいと思います



私の誕生日のように

照れて笑ってくれる顔が見たいから



何度も見たいから



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